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[コメント] 日の名残り(1993/英=米)

原作と映画化
ぱーこ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







小説は次の3つで構成される。情景描写、心理描写、会話、といったのは村上春樹。映画では、情景描写はお手の物。心理描写は、音楽と映画的技法を使っての見せ所。残るは役者の勝負となる。役者★4、見せ方★3、話★3

ノーベル文学賞を記念してル・シネマ(Bnkamura)で見た。平日の昼間は年配のご婦人が多かった。小説は身につまされる話だが、映画は役者につまされるものになっていた。オープニングから小説と映画の違いがよくわかる。名画オークションのシーンにミス・ケントンのMCがからむ。絵でどう見せるか、曖昧な関係はやめて善悪、対立をくっきりさせるためには原作の設定も大きく変える。

主人公が仕えた卿がなくなって屋敷を買い取ったのがアメリカの富豪。つまりは大英帝国の没落を言っているわけだが、映画ではこの屋敷の最盛期にやってきたアメリカの要人が、後でこの屋敷を買い取ることになっている。これほど露骨に主題の対比を示すように登場人物の設定を変えてしまう。そういうところがいたるところにある。

原作を読まなかったらわからなかったシーンもある。結局映画は原作の主題(と脚本家が思ったもの)を役者とスタッフで見せる仕組みなんだと思った。

(評価:★3)

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