２８年前の第1作を見たときは、就職したばかりだった。野外映画しかない僻地小笠原から内地に帰ってきて、有楽町で見た。みんなは大騒ぎしていたが、私にはあっという間に終わった、という印象しかない。それ以降公開されるたびにこのシリーズは映画館で見た。映画館もどんどん変わって新しくなった。LDPデジタルなんたらというふれこみまでついた。いつも一人で行っていた映画館に妻と2人で行った。最近では50歳割引で一人1000円である。はるか銀河系の彼方では帝国軍と共和主義者が壮大な戦闘を続けていたが、私は目前のせこいもめごとにつきあっていた。フォースの助けもなく。このシリーズは確かにダースベーダーの話だったとわかる最終編が上演されたとき、私は定年を4年先に控えて退職していた。1年前にはそんなこと考えもしなかったからこういう運命は自分でもよくわからない。退職して第二の人生どころか以前にも増して拘束時間は長くなった。目前のもめごとは形をかえて続いている。スターウォーズは惜しまれながら最終章を迎えたが、私の物語が一体何なのか、相変わらずわからないままである。