勝新版は1作目の『座頭市物語』しか観てません。それなのにこんな事言うのもアレなんですけど、これ、リメイクっていうよりも題材として使ってるっていう感じ？比較以前の問題で、完全に別物のように思えました。

とりあえず、たけし版座頭市は確かに強い。最強って言うのも頷ける。またミュージカル要素を取り入れていたのはとても面白かったし、ラストの下駄ップもちょっとニヤけてしまうくらい楽しかった（強いて言うならお面をつけた4人が最初にやったタップだけでよかったとも思うけど）。観ていて飽きる事もなかったし、素直に面白いと思ったのは確かです。

でもたけし版座頭市には情ってものが全く存在してなかったなー。昔の時代劇は人を切ってチャンバラを繰り広げるシーンも当然ありますが、（自分が現時点で観た作品に限ってしか言えませんけど）今も名作と言われているような作品には必ず情ってものが存在していると私は思ってます。たけしの座頭市にはそれがなく、ゆえに一人の人間としての座頭市に魅力を感じる事が出来ませんでした。むしろもう人じゃねーだろってぐらい強かったのは確かですけど。

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08.05.14　記