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[コメント] 洲崎パラダイス 赤信号(1956/日)

こわっぱの私は、まだまだこの達観の境地には立てません。
づん

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







いやーこれかなりuzeeeeeeeeeeeeeeee!!!!!!!なんですけど。蔦枝サン、もうまるで昔の自分を見ているようでウザすぎる。こんなだからロクな男つかまえられないんだようバカ!ってスクリーンの中入って説教したいくらい。本当、ある程度年を取ってよーく分かった事がある。たとえ意気がって男と対等に渡り合っていても、底の底では男は立てなきゃいかんのだと。女がでしゃばると悪循環の無限ループが始まってしまうんだと。もうこの蔦枝サン、全然分かってないっていうかまんま昔の私だよー(あんなに可愛げのある美人ではないけど)。もうだから見ている間中イライライライラ…

それが終盤、義治との再会シーン。あそこで私はもう何がなんだか分からないくらい悲しくなって、辛くなって、脱力しきってしまったんです。夫を殺されて嘆き悲しむ女将を同情の目で見ていた二人が、お互いを確認した途端、目が異様に爛々とするんですよね。目の前の悲しみや同情なんかどっかもうすっ飛んじゃってる。幸福の真っ只中のような微笑すら浮かべて。こういう場面で二人を再会させるこの監督がもうなんだ。夢も希望もあるようなないような。本当、みなさんも仰っているように、クール。クールってまさにこういう事を言うんだと、妙に納得。

でもこわっぱの私は、まだまだこの達観の境地には立てません。クールだろうがなんだろうが、今の私にはまだこの現実は悲しくて、辛い。

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08.06.03 記

(評価:★3)

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