[コメント] 肉体の門(1964/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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4人の街娼の均衡が1人の若い男によって崩れていくという構図がとても面白かったです。
女目線で見て宍戸錠演じるシンちゃんは非常に魅力的で、次第に彼女たちの目の色が変わっていく過程などはものすごくドキドキしました。シンちゃんの魅力ってのは女の打算的な部分を刺激するというよりもむしろ、生殖本能に直に訴えかけてくるもので、今まで私はリアル世界でそういう男性にお目にかかった事がないんですけど、私があの場にいたらまず最初に掟を破るんじゃないかとガクブルでした。それぐらいなんだ。シンちゃんてのは男性的すぎました。
だから壮絶なリンチを目の当たりにし、掟を破る事の恐ろしさを頭では分かっているのに、それでも制止出来ない彼女らの熱情は、観ているこっちの胸すら焦げまくってしまう程痛々しく、そして怯えまくってしまうほどリアルでした。
それからマチコさんが"普通の奥さん"に戻りたいと思っていたのに、いざそれが手に入りそうになると、魅力を感じなくなると言っていたアレはものすごく分かる!あえてそうしているにしろ、無意識にしろ、女は十中八九、"のほほんとした優しい恋愛に身を委ねたい"っていう気持ちをドン!と上に乗せて、"何がなんだかっていうものすごく熱くて危ない魔の領域に足を踏み入れてしまいたい"って気持ちを封印してしまっていると思うんです。いや、そうなんです。その封印を危うく解きそうになるんだから危ないわ、こんな映画!あー怖い!怖いよー。でももう一回観たいかも…(危なーい!)
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08.04.14 記
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