前半はちょっと登場人物の思惑が見えなくて、なかなか不可思議な気分に包まれるんですが、後半になると身の毛がよだつというか、とにかく体がぞわぞわざわざわする。本当に薄気味悪い。･･･んだけど、不快ではない。むしろ愉快に思える程の薄気味悪さ。ラストに至っては、なんだか爽快感すら感じてしまう不思議感。本当にトリッキーだ。

仲代達矢は全然瞬きをしなくて、ヘビみたい。本当に獲物を狙うヘビみたいだった。そして京マチ子の表情も色もない顔も、薄気味悪さをかき立てる。それが夫の葬儀を済ませ、慰労と言って3人集まった時のあの顔。相変わらず色はないし表情もないのに、どこかしら朗らかな雰囲気！どう演じ分けているのか分からないんですが、本当にこういうのが役者なんだ！と思いました。

極めつけ。ストーリーも然る事ながら、映像も不鮮明で、そこがまたぞ、ぞ、ぞわぞわ〜。

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08.07.16　記