[コメント] 麦秋(1951/日)
小津作品、初見。とうとう手を出しちゃった。なので小津的とかそういう事はサッパリ分からないので、率直な感想を。
これは当時とすれば現代モノだったのでしょうか?私の思う昭和26年よりもよほどこざっぱりとしていて、そして上品。これが一般庶民の生活だったのかは分かりませんが、どことなく上流階級の匂いがしました。とにかく清潔感に溢れ、しかし同時に、そこにリアルさを見出せなかったというのが冒頭の印象。
そして延々と続く日常の何気ないシーン。一つの家族に密着したその構成は、正直退屈に感じました。その退屈さが一体何なのか、ラストに近づくにつれ私にも良く分かってき、物語が終わる頃にはもう涙が止まらんのですわ。一つの家族が生まれ、時に増し、時に減り、徐々に形を変えつつそれでも紡がれる家族。今の自分に似た家族構成だったという事もあってか、今が一番良いと呟く老夫婦が自分の親と重なり、心に沁みました。
朝起きて映画の真似して「おはようございます。」そして会社に行く時には「行ってまいります。」本当はそう言いたかったんだ。今朝は。でもやっぱり恥ずかしくていつもと同じ「おはよ」「行ってきます」としか言えなかった。でも今日が一番良い日だと、そう思えてしまったのだから不思議。
独身時代にこれを見る事が出来て良かったなと。でも結婚してからも見直したい。独身じゃ「権利なーし」だもんね。
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