[コメント] 東への道(1920/米)
リリアン・ギッシュいじめに託して不実な男を戒め、宗教倫理に則った一夫一婦制のススメを説くのだが、単なる説教悲劇にあきたりずダンスやら恋愛コントにたっぷり時間を割き、郷士関係者一同に会した緊張の不実暴露から、あっと驚く怒涛の流氷スペクタクルへ。
惜しみなく繰り出される「見せ場」の大サービスぶりにハリウッド・エンタメ指向のDNAをみた。
おそらくギリシャ悲劇という不動の理不尽物語を持っている欧州映画や、近松門左衛門の浄瑠璃や歌舞伎の徹底した被虐指向を好む日本映画だったら、もっとひたすらヒロインを虐待し続て観るのもしのびない“可哀そうな”物語に徹していると思う。
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