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[コメント] ミセス・ノイズィ(2019/日)

図式的に単純化した薄っぺらい正論を、大風呂敷のごとく広げるさまに、無自覚な上から目線が透けて見えて不快。その幼稚な正論と現実社会の折り合いをどうつけるのかと思っていたら、作中の小説に重ねつつ「この映画」を自画自賛して“こと”を収めたのには呆れた。
ぽんしゅう

自分の胸に手を当ててみれば分かるはず。人の心はもっと複雑で弱いもの。世の中、思い込みと、正当化の軋轢の日々。そんなことぐらい、誰だって分かっています。分かっているから、みんな悩んでいるのです。

そんな複雑さから逃げるために、弱者に困難イコール誠実という「らしさ」を割り当てたあげく、その困難さは「お話し」に利用するだけという不誠実な思考の浅さを誤魔化すために、今度はコメディーにしてしまおうと画策する。こんな安易な魂胆で喜劇が成立するはずもなく、演出の稚拙だけが露呈して、あげくの「嫌がらせ合戦」は笑うに笑えず悲惨なだけ。悪のりして、生理的に(私には)許せない描写が飛び出し、その瞬間、これは最悪、★ひとつの最低映画、と決めた。

が、本作の“教え”どおり少し頭を冷やして、この点数にしておきます。

(評価:★2)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)ペンクロフ[*]

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