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[コメント] 人数の町(2019/日)

SFとしての驚きが皆無の脚本に凡庸な演出が輪をかけてサスペンス感ゼロ。挿入される世情データの間の悪さ(読めない!)が理屈(言い訳)の残滓となって劇映画としての感度を下げる。俊英の撮影監督四宮秀俊らしからぬ散漫で意図不明の画面造詣はどうしたことか!
ぽんしゅう

中村倫也さんはじめ、その他の(あえて書きますが、実力のない)役者さんたちの所作が、学園祭レベルのお芝居に見えてしまうのは荒木伸二監督が適切な演出をしていないことの証左。孤軍奮闘、石橋静河さんだけが、まともな演技をしているようにみえました。彼女自身が持っている天性の役者勘(才能)のたまものでしょう。監督の演出と静河さんの才能のギャップは堅調で、そのちぐはぐさに思わず苦笑いしたシーンが数か所ありました。

サイエンスフィクションで最も重要なのは、前提となる“大きな嘘”を上手についてまず観客をその気にさせる「智恵」。そして“小さな嘘”を重ねて興味をかき立てる「技」。きっと、掛けるべきところに金が掛けられなかったのでしょう。だかこそ「智恵」と「技」を使って“嘘”をつく努力を惜しまないで欲しい。ベテランだろうが若手だろうが、優秀な演出家はみんなそうしていますよ、荒木さん。

(評価:★2)

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