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[コメント] 人生の乞食(1928/米)

男装のルイーズ・ブルックス(『港々に女あり』のあの小悪魔!)が可愛い。藁山の一夜のチャーミングなこと。不幸からの脱出。出会いと放浪。権力と無力。周囲の烏合化。愛の力と改心。と、目前に迫ったハリウッド黄金期のラブ&アクションの“定番化”の予感。
ぽんしゅう

近頃はすっかり見なくなったオーバーラップ処理ですが、冒頭の死体をはさんだ男と女の鉢合わせの「衝撃」を、互いのアップ顔をダブらせて強調したり、ことの顛末を懸命に語る女の顔に、禍々しい経緯がダブル演出と、ここぞとばかり気合の入ったオーバーラップは、いま観ると新鮮。半透明に重なる魔法のような映像が、無限(夢幻)の可能性を秘めた演出手法だった時代の貴重な遺産でしょう。さらに背景に「音符」が散りばめられた荒くれ浮浪者(ウォーレス・ビアリー)登場のシーンも、豪胆ながら剽軽な男の性格を示唆して楽しいく、後半の列車アクションも的確なアングルと丁寧な編集で長丁場をあきさせません。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)ゑぎ[*]

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