[コメント] 一度も撃ってません(2019/日)
売れない作家は家族に隠れ、はぐれヤメ検は家族に見放されてもスタイルを捨てられない。そんな芝居をベテラン役者がスタイルでこなす。大映仕込みの大楠の正当芝居に、アドリブの瞬発力で応じる桃井の“乱取り”合戦。爆笑ではなく「この失笑」を楽しめる幸福。
若いときにかぶれて、いったん身についてしまった、かっこつけて言えばスタイル、自嘲ぎみに言えば性癖は、その後の生き方が不器用であればあるほど捨てられず、年を重ねれば重ねるほど執着心は増し、人生の晩節をまえに“これが私だ”などと不穏な言い訳けをして周りの失笑をかうのであります。
どさくさまぎれに“夜は酒が連れてくる”って、いいじゃないですか。マジで不穏で滑稽ですね、丸山昇一さん。
で、2020年春の映画館の営業自粛にいらだつ私を嘲笑う家人に、私は苦笑を浮かべながら心の中でつぶやくのです。“俺の最期は銀幕が連れてくる”・・・このバーカ、って笑ってやってください。
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