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[コメント] さよならくちびる(2019/日)

解散へ向かって時間とステージが消化されていくなか、必要最小限の描写と台詞で綴られていく3人の心情の“うねり”が切なくもスリリング。楽曲の力を信頼し物語の「核心」を門脇と小松の唄に託し、感傷的にならず淡々と反復される演奏シーンの潔さも素晴らしい。
ぽんしゅう

決別へのツアーは、初夏の強風が音を立て吹きすさぶなかスタートする。やがて、二人がユニットとして互いの存在に確信を得たときもまた、その背景では初夏の風が激しく若葉を揺さぶり続けていたことが回想される。この別れと出会いの、激しくも止めどない強風が“その時の”ハル(門脇麦)とレオ(小松菜奈)の秘めた心のときめきと、互いへの渇望を示唆して印象敵的だ。

このシーンに象徴されるように、ややもするとベタつきがちな愛憎のアヤを塩田明彦は、状況のなかに的確に託して描く。その演出の徹底ぶりが、三人の登場人物の作劇上の過剰な干渉を排除して心地よかった、のに・・・。最後まで貫徹して欲しかった。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)水那岐[*] けにろん[*]

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