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[コメント] 検察側の罪人(2018/日)

緊張感を絶やさず連打される現在進行の事象を結ぶ横糸(暴露、告発、漏えい、リーク、圧力)のからみは興味深いのだが、それぞれの過去からの因縁をつなぐ縦糸(軍部の暴走、責任放棄、復古主義、冤罪)の逸話が寸足らず。葛藤の綾がカタチを結ばないのがもどかしい。
ぽんしゅう

あと30分費やしても原田眞人監督の力量ならダレることなく面白くできただろうにと、悔やまれる。

総理候補の義父と政治信条で対立する議員。暴露本を書くことで冤罪の無念をはらすライター。自らの罪のために兄を失くした犯罪者。無謀な上官の責任を小説化した激戦の生き残り兵。殺された堅気の父の無念に激情する孝行息子のヤクザ。

そんな私的な義憤やわわだかまりを、正義の名のもとに晴らすことは許されるか。正義の正当性を個人(たとえ、それが権力の執行者であっても)が主導することの限界は。そんな散りばめられた個人の“ゆらぎ”が鋭利な矢となって、インパールの「白骨街道」を貫いて、現代社会の権力構造のゆがみ突き刺さる前に、あえなく失速する。

と、御託をならべましたが「検事さん。もっと上手くやれよな」というのが素直な感想。

曲者役者を前にして、検事の“芝居”を芝居する二宮君の獅子奮迅には賞賛の拍手喝采!

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)けにろん[*]

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