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[コメント] ハドソン川の奇跡(2016/米)

すでに結果が分かっている事象を、巧みに時制を制御した構成と演出と編集で、一気に見せきるワン・イシュー映画の手本。あまりの手際の良さに、良くも悪くも、話の結末よりも、語り口の上手さに感動する。コスパの高さで冗長なCG大作の鼻を明かす愛すべき小品。
ぽんしゅう

この作品にはイーストウッドの熟練の技がちりばめられている。例えば、断絶を象徴する携帯電話でしかつながることのできないサリー(トム・ハンクス)と妻(ローラ・リニー)のもどかしさは、『恐怖のメロディ』で主人公(クリント・イーストウッド)が恋人(ドナ・ミルズ)の異変を知る海辺の屋敷への電話の絶望演出のソフトバージョンであり、機長(トム・ハンクス)と副操縦士(アーロン・エッカート)のコックピットでの210秒の攻防シーンの編集が生む緊迫感は、『マディソン郡の橋』の二台の車が静かに交錯し得も言えぬ緊張がみなぎる雨中の別離シーンの活劇版のようだ。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)ゑぎ[*] ナム太郎[*] セント[*]

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