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[コメント] 映画ひつじのショーン バック・トゥ・ザ・ホーム(2015/英=仏)

目の誇張で挙動を補い感情を伝達し、スピードとギャグの連鎖で高揚をかきたて、すべてのカットが意味を持ち最適な時間で割られ物語を推進する。チャップリン+キートン+エイゼンシュテイン。サイレント映画の原理原則と計算づくのモンタージュで寸分の無駄もない。
ぽんしゅう

映画史の実践のようなこのアニメは「言葉を持たない」とう制約が生んだ高度な映画技術の結晶であり、ディズニーが目指した「人が演じているような」アニメのツンとすました行儀良さの対極に位置している。その「物」が動くという作り物感と、とぼけた味がかもす温かみが実に心地良い。

客席の前方に陣取り、クスクス笑いや歓声をあげていた子供たちに「そうだよ。これが本当の映画の面白さなんだよ」と余計な講釈をたれたくなってしまうのだ。

(評価:★4)

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