コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 東北の神武たち(1957/日)

家畜同然の扱いに甘んじる農家の次男・三男ども。それは村落共同体を存続させるための知恵であり、その掟を自然の摂理として受け入れるのもまた人の理性なのだ。人でありながら人ならざる者たちの諦念が、同志的大らかさに転じ、悲惨さが可笑しみに昇華している。
ぽんしゅう

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







市川崑は、この理不尽な掟こそが、人が人として生きるための永遠の矛盾だとして、どこの誰をも攻めようとしない。娘っ子を求めて山を目指す主人公・利助(芥川比呂志)の歩みこそが、たとえ無いものねだりだとしても、連綿と続く「人」の歴史なのだと思う。

(評価:★4)

投票

このコメントを気に入った人達 (0 人)投票はまだありません

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。