[コメント] 怒りの葡萄(1940/米)
気のどくな境遇と悲惨な状況が描かれているにもかかわらず、常に画面に光明の気配が漂っているのは、トム(ヘンリー・フォンダ)をはじめ、母親(ジェーン・ダーウェル)を中心に、この一家が物語のなかを(=スクリーンのなかを)前進し続けているからだ。
アメリカのコミュニズム映画は、よく言えば気高く、悪く言えばとりすまして見える。きっと貧農や低層労働者のさらに下に、無視された層としての黒人社会が存在していたからだろう。それは状況が生んだ欠落であり、作品の価値とは別問題であるのだが。
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