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[コメント] 暗黒街(1927/米)

無法の闇。酒場の挑発。羽毛の舞い。乱痴気と嫉妬と銃撃。塀の内と外。細部に渡って計算されたアクションは、悪漢ブル(雄牛)の奔放と人なつこさ、弁護士ロールス(品位)の自尊と忠義、情婦フェザース(羽毛)の華やぎと純愛の“危うい均衡”の醸成へと収斂する。
ぽんしゅう

ギリシャ悲劇的な運命のいたずらや、本邦得意の義理と人情の葛藤とならんで、本作の友情と愛情と疑心の相克こそが、庶民の最大の悩みにして最高の娯楽。本作が最古のアメリカ製ギャング映画だとの記述を見かけた。もし、そうだとしたら、ほぼ完璧なノワール葛藤劇の生誕。

たまたま同時に観たウィリアム・A・ウェルマンの『人生の乞食』も、本作と同じ「純愛を目の当たりにした無法者の改心」というテーマを扱っていた。どちらも1920年代後半の作品なのだが、これは偶然の一致なのだろうか。それとも当時の社会情勢や、庶民の気分に根ざした“何か”があったのだろうか。深読み過ぎるかもしれないが、そんなことを考えた。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)ゑぎ[*]

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