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ぽんしゅうさんのコメント: 投票数順

★4初恋のきた道(2000/中国)人生のある時期に放たれる、まばゆい光。これほどの“輝き”をスクリーンに定着させた映画を私は知らない。 [review][投票(14)]
★5ストレンジャー・ザン・パラダイス(1984/独=米)日常は、過去と現在と未来が連続しているから成り立つ。“現在”だけが、ただ繰り返し時間が過ぎていくときに、人は孤独を自覚する。ワン・シークエンスをワン・ショットで積み重ね、その間をまばたきのように暗転で切断する。見事な孤独の成立。[投票(14)]
★5イージー・ライダー(1969/米)[ネタバレ?(Y6:N8)] 中学生のとき、自転車をチョッパーハンドルに改造して乗っていたが撃たれずにすんだ。[投票(14)]
★5スリー・ビルボード(2017/米=英)感情的でエキセントリックな怒りに支配されている者こそ、実はどうしようもなく繊細な心情の持ち主だという矛盾。世の中の多くの“こじれ”の根っこは、この人間的な弱さが生む矛盾につながっていくのだ。実に志が高く、かつ正直な憎しみと悲しみについての物語だ。 [review][投票(13)]
★5空気人形(2009/日)人形が心を持ち人間になる話しだど思っていた。違っていた。人形は人間のような「もの」になるだけだ。そして、人間のような「者」たちの狭間で嬉々として、生に憧れ、愛を模索する。「されること」と「してあげること」。燃えないゴミと、燃えるゴミの交歓が切ない。 [review][投票(13)]
★2硫黄島からの手紙(2006/米)理念や理屈だけでは人の痛みは描けない。たとえ戦闘がもたらす恐怖や苦悩が、国籍を問わず人間にとって共通のものだとしても、やはり加害にしろ被害にしろ当事者としての悔悟や執念なくして映画は成立しない。必要なのは、異国を解する冷静さや理性ではなく情念。 [review][投票(13)]
★4パッチギ!(2004/日)溢れる破壊衝動と激しくも淡い異性への思いを抱えつつ、自らの動かしがたい境遇と社会の巨大な矛盾に気づき、思春期の少年たちは虚勢だけをたよりに日々を生きる。その全てが一気に昇華されていく河原の決闘シーンでは、共感と郷愁の涙が止まらなかった。 [review][投票(13)]
★3鬼が来た!(2000/中国)この映画では、人間が持っている“信頼”という心の緩衝地帯が全否定されている。これは反・戦争を超越して、反・人間を描いてしまった映画なのだろうか。すなおに5点で良いのかどうか・・・さんざん迷った。 [review][投票(13)]
★4ウォーターボーイズ(2001/日)前半はハズシまくり・・・でも、いつの間にか自分のペースに引き込む矢口演出はまあ良し。何よりも“感動”など歯牙にもかけず、おもしろければイイジャン的ノリを貫き通す姿勢は、今の日本映画にとって貴重。 [review][投票(13)]
★4ショコラ(2000/米)誤解しちゃ、いけません。人生はチョコレートほど甘くないってことでしょ。 [review][投票(13)]
★4ギルバート・グレイプ(1993/米)年に一度、町を訪れる一筋のトレーラーの隊列だけが、その地と外界をつなぐ唯一いつの糸だなんて。そりゃつらいよな、グレイプ。君も高みから別の世界を覗きたかったよなぁ。[投票(13)]
★4マッドマックス 怒りのデス・ロード(2015/豪)まずは思想や理屈をすっ飛ばし「Fury Road」だけに大金と労力をつぎ込んだ潔さが素晴らしい。映画の原点にたち返ったように、行動と装置(衣装、乗り物、砦の失笑寸前の禍々しさ!)だけで、すべて語れると信じる切るアクション馬鹿ぶり。この純度の高さは貴重。 [review][投票(12)]
★1GODZILLA ゴジラ(2014/米)サスペンスを引き受けるべきドラマの構成が雑で、どこにも「恐怖」が描かれていないから退屈。金はあるが知恵がないハリウッドが、苦し紛れに手を出した失敗リメイク作のうちの一本でしかないのだが、この偽ゴジラ映画が内包する罪深さにだんだん腹が立ってきた。 [review][投票(12)]
★3アーティスト(2011/仏)物語について語るべきことは何もない。白黒やスタンダードの画面もサイレント・モノマネ芸のための必然でしかない。作者がどこまで意図したかは分らないが、「音楽」と「音」と「声」の制御によるコミュニケーション不全男の再生復活劇になっているところが面白い。 [review][投票(12)]
★5告白(2010/日)語られるのは女教師による「命の重さ」についての、いわば裏正論である。中島哲也は「裏」が持つ危うさや後ろめたさを、歯切れの良い快活な演出で巧妙にはぐらかし、立場や通念という感覚を麻痺させる。焙り出されるのは「裏」が「表」を凌駕する高揚と寂寥と錯覚。 [review][投票(12)]
★5バベル(2006/仏=米=メキシコ)巧みな脚本、演出、編集で、時間と地平を操りながら143分間、延々繰り広げられる人々の苦渋と焦燥は、とりとめなく拡散し続け収拾を見ない。死の問題は放置され、他方で唐突に誕生が示される。しかし、この混沌と迷走こそが人間を真摯に描こうとした証なのだ。 [review][投票(12)]
★3スウィングガールズ(2004/日)思い込んだらまっしぐら、突然襲う難題・珍問もナンセンスにクリア、とういのが『秘密の花園』以来の矢口映画の面白さ。上品にカタチだけが残って、パワーはダウン。キャラに合わないオーバー演技を健気にこなす上野樹里が一番のマジメちゃん。 [review][投票(12)]
★4M★A★S★H(1970/米)「別に死にたきゃかまわないけど、俺は生きてる方が好きだね」くらいの、軽く乾いた感じが好き。あまりに軽すぎて気づきにくいが、話は反戦云々を通り越してエロスとタナトスの域にまで及ぶ。「肉体あっての精神」を最もよく知っているのは神父よりも外科医。[投票(12)]
★5スケアクロウ(1973/米)暴力や笑われることでしか世間と意思疎通できない男たち。誰も信じられない粗暴者を「悪」と言い切れるだろうか。笑われることで平穏を確保する道化者が「善」なのだろうか。二人は友情など通り越して、互いに依存し合う関係になっている。心の傷は深く痛々しい。[投票(12)]
★3ダークナイト ライジング(2012/米=英)合理性を欠いた「悪」こそが真の脅威であり、それへの対峙が、仮面の欺瞞に苦悩するヒロイズムという同時代性を生むのは前作で実証済み。安易に理由付けされ、お決りの因縁話に矮小化された「悪」は、ほどほどの合点を提示するだけで「今」への共感など生まない。 [review][投票(11)]