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ぽんしゅうさんのコメント: 更新順

★3ブラッド・ワーク(2002/米)淡々と進む無意識や状況や思いが織りなす「つながり」の推理劇は、それなりに面白い。ところが確信犯的に合理を無視したとおぼしき、大詰めの通俗的な活劇のドンパチ合戦に至り緊張感がゼロに。老いてもヒーローに固執するイーストウッドの業は理屈を超える。[投票]
★4目撃(1997/米)痕跡を残さないことが信条のスーパーマン怪盗が、娘の気を引くために痕跡を残しまくるという「分かっちゃいるけどやめられない愚行」が泣かせるじゃないですか。これはもう、アクション活劇に見せかけて、恥ずかしげもなく父娘愛を語るファンタスティック人情劇。 [review][投票(3)]
★4ボディ・スナッチャー 恐怖の街(1956/米)陰影のなかに伸びる影が肉体と感情の遊離の危うさを暗示するような“眠れない一夜”から一転、早朝の広場に三々五々集まる“いつもの人々”の不気味。夜が明ける毎に花が次々開くように増殖と浸食に意思や感情は必要ない。奇をてらわず淡々と綴る恐怖の安定感。[投票(2)]
★5赤い靴(1948/英)若いカップルの成功譚のはずなのに、冒頭の演奏会シーンから苛立たしい禍々しさが漂い続ける。スタンダード画面の限定された空間に、奥行きを意識して創りだされる造形や構図の魅惑的美しさは、モンスター団長の芸術至上主義が発散する毒気のせいだったのか。 [review][投票(2)]
★4スタア誕生(1954/米)白黒の静止画つなぎによる時間制御。本編と劇中スクリーンと劇場舞台と撮影スタジオの巧みな越境。後半になればなるほどミュージカル要素が連打され、夫婦の閉塞状態を象徴するリビングでのワールドツアーで頂点へ。観る者を引き付けて止まない緩急の仕掛けが満載。 [review][投票(2)]
★3家族はつらいよ2(2017/日)下流老人の最期を、こんなにも軽く弄んでも顰蹙を買わないなんて、そんじょそこらの若造に出来る芸当ではない。ただの通俗喜劇にみえて、創作という代替行為を笑うことで、現実の深刻さを嗤うという老映画作家の達観に、積み重ねた年季の意図せざる凄味を感じた。 [review][投票(4)]
★4メッセージ(2016/米)言語は思想のツール化であり武器でもある。我々の言語を教える(強制する)ことでも、彼らの言語を学ぶ(準じる)ことでもなく、あらたな共通言語を発見し、その体系に身も心もゆだねることで、互いの思想や生き方に順応し、今までとは別の関係性を創造するということ。 [review][投票(2)]
★3黒線地帯(1960/日)テンポよくぐいぐい引っ張る語り口の上手さ。いささか饒舌なモノローグも、ハードボイルドな味として許せてしまう手練れの職人芸。新宿歌舞伎町、浅草下町界隈、横浜の繁華街から港湾と“街”が存在感を持って活写されるモノクロ映像も危ういムードを醸し出す。[投票(1)]
★4実録三億円事件 時効成立(1975/日)事件の顛末はスピーディー(実に手ぎわいい)におさらいし、後半は房夫(岡田裕介)と孝子(小川真由美)の危ういパワーバランス攻防と、ごり押し刑事(金子信雄)の武骨キャラで「おはなし」の突飛さを飛躍と感じさせない庶民のためのピカレスク賛歌。[投票(1)]
★4同じ星の下、それぞれの夜(2012/日)〔チェンライの娘〕現実逃避した男は、仮想世界で夢想との境を見失い身ぐるみ剥がされるわけだが、むしろそれが快感で、剥がした娘らも欲望都市に愛想つかした離脱者であるという混沌。ネオンの夜の喧騒と田舎の満天の星空。土地と空疎と幸福のいたちごっこ。(4点) [review][投票(1)]
★4国道20号線(2007/日)どこかへつながっているはずの「その道」が見えなくなった男(伊藤仁)は、サラ金ATMで金を借りたその足で無造作に国道を渡り向かいのパチンコ店に向かう。ひたすら閉じられた輪を循環するだけの日常は、閉塞者の特権である「反抗」という武器すら消滅させる。 [review][投票]
★3赤い玉、(2015/日)肩を落とし背を丸めた奥田瑛二のぶざまな立ち姿に死臭が漂う。おじさんのおじさんによるおじさんのための、この情けない話に共感など微塵も湧かないが、それはおじさんである私の現状逃避であり自己欺瞞かもしれない。始まったカウントダウンは止まらないのに。 [review][投票]
★4アシュラ(2016/韓国)倫理感がぶっ飛んだワル(ファン・ジョンミン)と、権力の傲慢が染み込んだワル(クァク・ドウォン)の純度の高さが、万人に潜在する悪の快感を呼び覚まし、そのカタルシスが半端者バディ(チョン・ウソン/チュ・ジフン)の感傷を吹き飛ばす。 [review][投票(2)]
★4マンチェスター・バイ・ザ・シー(2016/米)与えられた仕事はこなすが向上心はない。不愛想で付き合いが悪く、バーではひとり酒に酔い、部屋でたれ流さるスポーツ中継に向ける目は虚ろ。始末の悪いことに意味不明の“怒り”を他人に向けて爆発させる。私たちはきっと、彼を得体の知れない変人だと遠ざける。 [review][投票(4)]
★4いぬむこいり(2016/日)遅れてきたアイドルに再び勃起するシニア左翼の夢精物語が発火点となって、戦場を駆ける中年カップルの面倒くさい青春冒険譚が燃え上がる。沖縄やエルサレムを想起する近親憎悪的対立に決着を着けるのは、異種混合が産み落とす無私無欲の純愛暴力であるという暴論。 [review][投票(2)]
★5ハッピーアワー(2015/日)ふたつのイベントの様子が、主人公たちが日常から少しだけ離脱する“儀式”として、たっぷりと時間をかけて描かれる。延々と続くその“儀式”は、いつの間にか観客のリアルな日常も浸食し始める。架空の日常と現実の日常がスクリーンを媒介にシンクロするスリル。 [review][投票(1)]
★4人生タクシー(2015/イラン)ドキュメンタリー風に作りながら、とうていそうは見えないところが、映画製作を禁じられたパナヒの確信犯的作為。社会と個人の狭間(物語の普遍的なテーマ)に存在する、タクシーという移動(映画的ダイナミズム)する閉鎖空間(疑似シアター)に着目した発想の勝利。 [review][投票]
★3台北ストーリー(1985/台湾)重厚な彫刻を施された石造りのレトロな建物が並ぶ廸化街の街並み。疾走するバイクの背後に浮かぶ燃えるような紅い電飾を施された大門。外資のネオンサインの前でシルエットと化す迷子のような男女。都市の風景が醸す時代の記憶は人工的なぶん、いつだって刹那的だ。 [review][投票]
★4スウィート17モンスター(2016/米)否定されるべき人物が一人も出てこない。といって、安易さやあざとさもない。嫌味なく、嫌味な少女を好演するヘイリー・スタインフェルドの自然体が、自然体でいることの難しさと大切さを素直に納得させてくれる。彼女は、嘆きはするが、決して泣かないのだ。 [review][投票(2)]
★4水の声を聞く(2014/日)信仰はともかく、何か「すがるもの」がなければ安定できない者たちを前に、「すがられる側」もまた、その根拠となる「すがるもの」を模索する。悟った気がした島のルーツは荷が重く、頭でっかちの巫女になろうとした凡人は儀式(イベント)というカタチにすがる。 [review][投票]