コメンテータ
ランキング
HELP

ぽんしゅうさんのコメント: 更新順

★4大日本人(2007/日)伝統という過去からの連続性を断ち切られ、ありがた迷惑と化した宙ぶらりんの正義を生きる男の悲哀は、極めて政治的な意味をはらみながらまったく政治的に見えない。きっと、松本の生来の生真面目な無邪気さの結果だろう。これはこれで「今現在」に溢れた映画だ。 [review][投票(7)]
★4時をかける少女(2006/日)不器用に時空を駆けまわったあげく、真琴は残された時という現実の中をみごとに駆け抜けてみせた。自分を待つ人のもとへと、流れ行く街並みを背景に疾走する少女。その先に、忽然と現れる青空いっぱいにふくらんだ入道雲。それは、アニメーションの原初的快感。 [review][投票(11)]
★3ミラーを拭く男(2003/日)むろん男の唐突な行動に理由や理屈は不要なのだが、その疑問を煙に巻くための演出上のしかけであるユーモアがすべて不発で、男が最後まで、ピカピカに磨き終わった鏡にうつる自分を見て悦に入る変な親爺にしか見えず、思考と行動に不可解さが残るところが残念。[投票(1)]
★2雪に願うこと(2005/日)描かれている、おごりの上の挫折、乗り越えられない壁を前にした焦り、寄り添うだけで結ばれない思い、そして事実上の姥捨てにしろ、現実の生活実感の方がはるかに厳しいのではないかと感じてしまう。演出にも映像にも、現実の痛みを甘受するシビアさがない。[投票]
★4TAKESHIS’(2005/日)ナルシシズムとペシミズムがせめぎ合う痛々しい映画だ。自己の傷口を、ここまで人目にさらしてでも映画は作られなければならないのだろうか。北野武という人は、本当は映画など撮らない方が良かったのではないかとさえ思う。 [review][投票(5)]
★3八月の狂詩曲(1991/日)対米感情や、世代間の意識格差の描かれ方が薄っぺらく見えてしまうのは、脚本の構成や台詞がいささか教条的に過ぎるうえ、黒澤の過信とも思える驚くほど古臭い演出手法が時おり顔を出すからだろう。言いたいことは分からんでもないが話しがまどろっこしい。[投票(1)]
★3僕の彼女を知らないとスパイ(2003/韓国)ダメ男と美女の、いつもの韓国ラブコメパターン映画。コメディ演出もひと時代前の定番を脱しきれず、退屈はしないが大笑いもしない。スパイたちの陽気なおとぼけぶりに、現在の韓国の北に対する融和政策の影響を垣間見る思いがしたりして・・・[投票]
★3迷子(2003/台湾)一見、斬新な演出に見えながら二つの喪失の物語が停滞し続け、いっこうに感情が揺さぶられないのは、物語を撹拌する映画的テクニックすなわちリー・カンシェン監督の個性が見えないからだ。新人監督のデビュー作として突き抜けたオリジナリティを感じない。[投票]
★2修羅城秘聞 双龍の巻(1952/日)原作のダイジェストでしかないと思われる手抜き脚本が全ての敗因。まるでカット割りの手本のように細心に組み立てられ、しかもワンショットたりとも手を抜くことなく丁寧に撮られているにも関わらずまったく面白みがない。娯楽作品としてはどう見ても落第。 [投票]
★2続修羅城秘聞 飛竜の巻(1952/日)1本の作品を分けて後編としたのだと思われる。よってコメントは、「脚本が全ての敗因。まるでカット割りの手本のように細心に組み立てられ、ワンショットたりとも手を抜くことなく丁寧に撮られているにも関わらずまったく面白みがない」。以上前編より抜粋。[投票]
★3女王蜂(1977/日)展開や背景の人間模様の哀れさよりも、犯人隠しのために配置されたとしか思えない豪華出演陣のなかで、ひとり浮いているという点でどうせあんただろうとすぐに見破られしまう犯人役が哀れ。話しの展開も起伏に乏しく退屈で、どこにも女王も蜂も見当たらない。[投票(3)]
★4病院坂の首縊りの家(1979/日)複雑すぎて映画的処理不能な背景など、佐久間良子桜田淳子の勢いにまかせて適当にお茶を濁して、男によって被虐的境遇におとしめられた女たちと、母を思う男たちの物語にしてしまったのは正解。お馴染みとはいえ脅迫電話4連発の崑カットは度肝を抜く。[投票]
★4パッチギ! LOVE&PEACE(2007/日)何のてらいもない「愛と平和」についての映画である。しかも、渾身の力づくである。だからこそ、興行的なサービス精神の具現である泣かせシーンなど不要であった。井筒和幸の本気度を素直に感受すれば良いのだ。この物語に作為的な感動など必要ない。 [review][投票(6)]
★4恋しくて(2007/日)ナビィの恋』の老女ナビィ、『ホテル・ハイビスカス』の小学生美恵子、そして本作の高校生加那子(山入端佳美)。洗練という形容から最も遠い映画である中江ワールドを支えるのは、今回もまた既成の型にはまらない不思議なチャーミングさをふりまく女性だ。 [review][投票(3)]
★3若き日の信長(1959/日)きっと女性客狙いなのでしょう。傍若無人というよりはインテリ策士風の雷蔵(信長)で、話しもチマチマと情緒的。でも、初めて見たのですが金田一敦子という女優さんが可愛いです。あと、プログラムピクチャーとは思えぬ手の込んだ豪華なセットに唖然。[投票]
★3鰐〈ワニ〉(1996/韓国)既成倫理を挑発するかのように冒頭から発散される自由奔放な内面感情。後の作品で噴出する暴力と痛みをたっぷりと内包したギドク特有のロマンチシズムの萌芽。生命を放棄してまでも、自らの最も美しい時を保持し永遠を獲得するということ。水中花を想起した。[投票(2)]
★3スパイダーマン2(2004/米)そうですか。基本的な約束事が守れないのは正義のために忙しいからですか。でもね、やるべきことちゃんとやって信用つけてから蛮勇ふるわないと納得どころか迷惑する人もいるわけで。言い訳すると大好きな正義も価値が下がりますよ。全米のアメコミファンの皆様。 [review][投票(2)]
★4風と樹と空と(1964/日)大勢、俳優さんが出ているが吉永小百合の純朴な明るさの前に全員かすむ。こういうお茶目で活発な少女というのが小百合さんの実像にも一番近いのだと思う。歯切れ良い松尾昭典演出もあいまって実に活き活きとしていて楽しい。点数は全て小百合さんに献上。[投票(1)]
★1変身(2005/日)分かりやすくするために漢字には読み仮名をふりましたという程度ならまだしも、どうせお前らバカだから全部ひらがなで書いてやったよ、という観客愚弄演出。この演出家は、我ら観客の手によって即刻映画界から追放されなければならない。 [review][投票(1)]
★2親指さがし(2006/日)過度なCGを使わないのか、使えないのか知らないが、その姿勢はかうものの、ならば映画史のなかにいくらでも手本はあるはずで、この無策無能ぶりに呆れる。きっちりと映画的日常が描かれてこそ、非日常の異常さが恐怖になる。何だ、あの「シャイニング」もどきは。[投票]