コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 紙の月(2014/日)

Mac Performa! 時代を感じる(笑)
Shrewd Fellow

1994年といえば、私が娘を産んだ年。その当時の雰囲気を思い出そうとするものの、専業主婦だったし、世間とは隔絶された毎日だったわけなんで、まったく思い出せない。バブルがはじけたあとの金融業界で契約社員として働き始めたリカのこと、なかなか想像できないままに物語は進む。もうそれがいけなかった。

年下の男の子にのめりこんで、銀行のお金を使い込んだ女の話かと思っていたけれど、全然違った。同性の目から見ても、リカがコウタに恋をしているとは全然思えない。いったい、リカは何をしたかったのか?お金で若い男をつなぎとめようとしている風でもなし、自分のためにブランド品を買いあさるわけでもなし。もともとが真面目なリカのこと。いたって真面目に、ちゃんと、どんどん横領していく。そのあたり、やっぱり宮沢りえちゃんはすごい。もともとは美しかったのだろうけど、なんとなくつまんなそうなリカの表情やたたずまいを、そこに立っているだけで表現しちゃうなんてね。リカが何をしたかったのかは理解できなかったけど、なんとなくつまんないって思ってることはわかった。男の人にもあるの?仕事もあるし、家族とも仲良いし、楽しいこともある、だけど、なんとなくつまんない、みたいなの。女の子にはありますよ。そういう女の表情、さすが宮沢りえちゃん!

でも、この映画で一番よかったのは、小林聡美ちゃん!もうね、私たちの年代の働く女の言いたいこと、みんな言ってくれた。ラストで、リカと対峙するシーンがすべて。まるで鏡に向かっているような女二人。まったく両極端にいるようでいて、実は似ている、みたいな。たぶん、すべての女性の中にあの二人は同居している感じがする。隅さんのような生き方だけでもつまんないし、リカのようにもなれないし。相川さんくらいチャッカリできたら最高なんだけど、そこまで器用に生きられないし。リカ・隅さん・相川さん、この三人はまるで多重人格の人の別人格のように登場し、観ている人に語りかける。隅さんの、「やりたいことやればいいって言われても、徹夜くらいしか思いつかない」というセリフは効いた・・・ホントにそうだから(笑) アラフィフ女の人生の危機をうまく表現した名セリフ。それをまた小林聡美ちゃんがフツーに言ってくれるんだよね。泣けてくる。

とはいえ、映画全体で見れば、リカに共感も反感も持てなったことが大きくて★3かな。コウタに買ってあげた(人のカネで)パソコンがMac、しかもPerformaだったので、感動。そうだったよねー、あの頃、カッコよかったよね、Mac Performa!

(評価:★3)

投票

このコメントを気に入った人達 (2 人)はしぼそがらす[*] ぽんしゅう[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。