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[コメント] 冷たい熱帯魚(2010/日)

ヒミズ』以来、でんでんの笑顔が怖くて怖くて、なんとなく彼の出演作を避けちゃってたのだけど、つい夜中に、しかも夜中に(笑)、この映画を見始めてしまったら二時間超あったのにずっと目が離せなくなってしまった。今後ますますでんでんが怖くて怖くてたまらないかも。村田さん、と呼んでしまいそう。そのくらいでんでんがすごい!
Shrewd Fellow

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







村田のすることから目が離せないのは、村田が言うことが決して間違ってるわけじゃないからなんだと思う。やってることはトンデモなことだけど。吉田さんを殺したときも、妙子をヤっちゃったときも、社本に本音を言うときも、まったく間違っていないだけに、誰も何も言えない。いままで見ないフリして、なんとかごまかしてきたことを面と向かって言われちゃったら、もう見ないフリできない。見ないフリできなくなってブチ切れた社本が、家に帰って、妙子に「食事の支度をしろ」と言ったり、ミツコに「食事中だぞ!」と叱ったりするのは、全然特別なことじゃなくて、むしろ普通のお父さんが普通に家庭で言いそうなことなのだし、今まで言わなかったことが不思議なくらいなのだ。社本家の食事のシーンが冒頭とラストに出てくるのが、とても効果的で、あんなことになった後なのにラストの食事のシーンのが家族らしく見える。そこがいい。

本人に自覚はなかっただろうけど、村田は詐欺師なだけに人間心理にたけていて、巧みな話術で心に入り込み、相手の本音をずばり引き出す。ある意味、セラピストみたい(笑) 専門の勉強や訓練をすることなく、ここまでの能力があるなんてもったいない。別の方面に行ってくれたらよかったのにね。もっとも自分の欲望のためにここまでやってるんだから、それは無理か(笑)

実は一番病んでいる男・社本を演じた吹越満さんもよかったし、血だらけになりながら社本に「半分終わったよ」とキラキラした目でキスをせがむ黒沢あすかさんの相変わらずのエロチックなかわいらしさがもうたまらなくよかったし、死体を処分するシーンで半分まだ体が残っていたりして、なんかホントにこういう感じなのかもな。と思わせる演出もよかったし、真夜中に1人で観て正解でした。切断後の血液を洗うのに漂白剤らしきものを使いながら流しているらしいところはすごく真実味があったけど、骨に醤油をかけて焼くのには、どういう意味があったんだろう?どんな効果があってやっていたのか、ちょっと知りたい。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)けにろん[*]

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