コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 探偵物語(1983/日)

処女探偵ナオちゃんがゆく!何気に門や壁をよじ登るシーンにこだわる根岸演出。事件よりも、解決後に部屋に押しかける薬師丸ひろ子と優作の「泊めて」「泊めない」押し問答シーンの方が手に汗握る。
AONI

ヤクザから追われてラブホテルに逃げ込んだ主人公二人が、回転丸ベットで寝そべってみるシーンがいい。天井の鏡を見ながら、「恥ずかしくないのかな」と呟く薬師丸ひろ子。「恥ずかしいからいいんだよ!!」と言いたくなった。松田優作が動くと、急に慌てて離れようとする薬師丸。そんな二人の微妙な距離感が上手く出ていた。

セーラー服と機関銃』から続けて観ると、薬師丸ひろ子が大人っぽくなっているのがわかる。本作の根岸吉太郎監督の演出はこれまでの薬師丸作品とがらりと変わり、固定カメラを多用した“正統派”の青春映画といった雰囲気。高校が舞台の頃は相米慎二大林宣彦を起用して「8ミリフィルムの実験精神」溢れる画を撮り、舞台が大学に上がると、もう少し大人びた演出に長けている根岸吉太郎を起用する。製作者角川春樹の感覚はこの頃冴え渡っていた。

清純派アイドルながら薬師丸ひろ子の主演作品は、性に関する際どい内容を多々含んでいる。そこが他のアイドル映画と一線を画するところだろうか。それにしても、『セーラー服と機関銃』では渡瀬恒彦風祭ゆき、本作では松田優作秋川リサという、好きな男性と他の女の情事を目撃する薬師丸ひろ子。彼女を「永遠の親父コンプレックス少女」と命名したい。

(評価:★3)

投票

このコメントを気に入った人達 (7 人)ペペロンチーノ[*] 3819695[*] worianne[*] けにろん[*] ぽんしゅう[*] tredair さいもん

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。