[コメント] インセプション(2010/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
■藤子不二雄の漫画に「どことなく、なんとなく」という作品がある。 普通の生活を送っていた男が、ある日「白い夜」の夢を見てから、 存在するのは本当は自分ひとりだけで、 あとのものは全て自分の妄想が創り上げたものではないかと、 疑い出すようになる…そして…
■人の心をなくした半牛人ミノタウロスは、 王の命によって迷路に閉じ込められた。 毎年生贄として選ばれた男の子と女の子が、 ミノタウロスの元に送り込まれ命を落としていた。 状況を憂いた勇者がミノタウロス成敗に乗り出すが、 たとえミノタウロスの元にたどり着き、倒したとしても、 難解な迷路の帰路を見失ってしまうかもしれない。 勇者の恋人であるアリアドネは ポリエステルではない糸の球を持ち、糸の先を勇者に持たせ、 帰路を見失わないようにと、手繰り寄せようと準備する…
映画インセプションは「どことなく、なんとなく頭がおかしくなって自殺したカミサンが忘れられない女々しい男が、 手練の仕事人のワリには真意を見抜けない上、命まで張ってくれるいい人達の力を借りて、 愛してたカミサンとの過去よりも、両親不在という形で子供を苦しませない、 生贄にしてなるものか。未来の方が大事だぞ。と思い切って現実的な選択をする。 その上もう一人の独り立ちできない男をちゃっかり救っちゃう。」
という結構トホホでありきたりなストーリー。
夢の中を表現する。 これももう文学から映像から何度も試みられてきた気がしますが。。
しかし。要は見せ方だ。
─あれ──眠くなってきたぞ───((†))────────────────────
ミノタウロスの化身、ラテン語で「悪」ことモルからコブに手渡されたトーテム・コマ。
コブが現実と夢とを見分けるとき回すコマ。
重力と遠心力。相反しながらも調和し微妙なバランスを保とうとする。
そして時間。
人間が実感しなくとも確実にしかも平等に影響下にある大きな力が、夢の中では大きく歪む。
LA、東京、モンバサ、シドニー。。
巨大な重力であらゆるものを引きつけながら、高速で回転する地球を大きなコマに見立て、
地球の回転に逆らってに移動していくあの人達。
そして、雨や川や浴槽、海、雪。常に「水」が根源的不安のメタファとして何度も現れる。
エディット・ピアフは「水」に流そう、「過去」は忘れようと、度々言い聞かせてくれるが。。
そして最後に「このコマ、止まると思う? 回り続けると思う?
あんたの頭の中のミノタウロスに聞いてみるんだね。あんた自分で作った迷路から出てこれるかい?」
───ここで、目が、覚める──((†))─────────────────────
…あれ。。なんか「白い夜」の夢を見ていたような。。
あれれ、どこだココ?
机の上でコマがクルクル回ってる。。あ、風ぐるまもカラカラ回ってる。。
あれ、椅子にエレン・ペイジが座ってる!
「かわいい!JUNO見ました!結構好みタイプです!」
彼女は金ピカで重そうなビショップを机の上にゴトり。と置いた。
重力で机に張り付いてるとも言える。
綺麗なツメで金ピカビショップをコンコンと叩きながら、
「あのさぁ。あんた男でしょ? ちゃんとしてよ!」
「はい…。」と言ったのは俺だけじゃなくて、
後ろにいるレオや謙やキリアンやジョセフやピート(!)ら見た顔の男たちでした。
───ここで、目が、覚める────────────────────((†))───
…あれ。。なんか有名人がたくさんいた夢を見たような。。
ああ。昨日映画について論文書いてたんだっけ。。途中で寝ちゃったなぁ。。
えーと。
「映画は娯楽だとか芸術だとかという棲み分け以前に、映像であり、
そして生身の人間が演じる運動であります。
また、どんなに使い古されたネタでも。制作者がその想像力によって
新しい映画を生み出すことをみんな心待ちにしているのです。」
と。おー書けた書けた。終わった終わったー!
さあ、本でも読もう。井上陽水の本が読みかけだったな。なになに。
「男は女々しいし、女は男らしい。女に徹底的に学ぶのが正解です。」だって。。
なんかそんなことを夢の中で誰かに教えてもらった気が。。
───ここで、目が、覚める──────────((†))─────────────
…あれ。。なんかすごく大事な夢を見ていたような。。
あー。インセプションについて書いる途中だったんだっけ。。
テレビもつけっ放しだよ。。
もう朝だなぁ……あ。ミノさんだ。この人悪そうな顔してるよなぁ。。
えーとね。
「植えこまれたのは俺だったのか。。。結局愛かよう。結局未来かよう。
でも。。やっぱり。。。そうなんだろうね。。ちっ。」
最後に────────((†))
頭がおかしくなって自殺して、悪者にされて、
旦那も(自分)だった人に過去なんて忘れなさいって焚きつけられて、結局忘れられる女。
黒い髪に黒い服。あなたはとっても美しかったですよ。美しい悪女でしたよー。
実はあなたの方がタイプです★
と。おー書けた書けた。終わった終わったー! 一応成長してるみたい。迷路はつづくよどこまでも。
気を抜けない映画見るのって疲れるけど気持ちイイもんですね。
では。おやすみなさい。
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