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[コメント] 棒たおし!(2003/日)

あまり軽くない、生々しい現実を抱えた人々の陰の青春。それは叫び声にしかならない感情であって、どうにもならないものであって、まあ思いっきり叫ぶがいいよ、と言いたくなるわけだ。
Ryu-Zen

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







あの先生が最後までずーっと冷え切ってて、哀しかった。諦観しちゃうと、こうなるのかな...。ファミレスで生徒に見せた態度は教師の顔じゃなくて、二流どころか三流の、単なるおっさんの顔でした。生徒がちょっと困惑して当たり前だよ。

ただ、こういう日陰の部分こそが魅力的な映画だった。親との確執、家庭崩壊、難病。日常のあちこちで普遍的に起こってる暗い陰を背負った人々。青春と言う光が作り出す陰の部分で生きる人の物語だ。架空のキャラクターと言えど、陰を背負って必死に生きる人々には思いくそ叫んでもらいたいのであります。

ロケ地が素晴らしい。特に(やや失礼ですが)田舎の片隅と言う舞台が、どこか寡黙な登場人物の心情にうまくマッチしている。夕暮れのグラウンドはこんなにも寂しく、切ないものか。風が吹いて砂が舞うだけで泣けてくる。

なかなかビターな味わいの方が、後に残る感情も強いものだね。

感傷的にならざるおえない映画でした。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)ぽんしゅう[*]

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