使い慣れた俳優（滝沢修・山本圭・佐分利信・三國連太郎・高橋悦史・鈴木瑞穂）を優遇する余り、一方の主役であるはずの渡瀬恒彦に纏わるシーンが随分と削られてしまった印象が強い。山崎努に関しても突然現れて突然射殺され、そのくせ渡瀬とは深い友情で結ばれていた、なんて語られても、なんの説得力も感銘もない。山本圭のカミサンもワンシーンしか出てこないんなら最初からいらない。神山繁・森田健作の記者コンビに関しても描き方が中途半端で、あんな在り来たりな帰結（神山が怒って酒飲むだけ！）なら全削除で構わなかったと思う。特撮のショボさ（特にヘリ）も許し難いレベル。

とまぁなんやかんや、どのエピソードも消化不良でラストで得られるはずのカタルシスが半減してしまった。

山本薩夫、老いたりだなぁ。大風呂敷は健在だが、往時の神業的構成力は見る影も無い。退屈はしなかったんだけども。

三國を一喝する高橋悦史の渋さに免じ３・５点を捧げよう。