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[コメント] M(1931/独)

人から人へ、そして集団へと感染しゆくヒステリー。ナチ台頭直前の不穏な空気が画面に満々ている。ラングにとって初のトーキーだが、彼は既にその特性を知り尽くしていたかのようだ。
町田

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ペールギュントの口笛も勿論だが、最初に地下室を訪れるシーンの、あの無音の横移動!そういえば、序盤から階段の使い方、日常と非日常を区分する、も見事だった。

これは独逸時代のラングの、そして恐怖映画の最高傑作であり、その高度なテーマ性は七十余年を経た今も色褪せていない。いや、むしろ今だからこそとも云えよう。私的制裁、集団的自衛権の是非、刑法第39条、加害者と被害者の人権についてなど未だ問題は山積したままだ。

(再見@アテネフランセ 1:1.35ミストリミング版)

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (4 人)ぽんしゅう[*] ジェリー[*] Orpheus くたー[*]

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