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[コメント] L.A.コンフィデンシャル(1997/米)

主役級の三人に加え悪役、脇役達の様々な価値観の相違・摩擦が世の中の矛盾や不条理を浮き彫りにしていく過程にこそ本作の最大の魅力があると思う。
町田

3,4年ぶりに再見して「こんなに面白かったっけ?これ」と驚いている。

再見に堪えうるという時点で単なるサスペンス映画とは一線を画する出来映えであるということが(僕の中で)立証されたわけだが、とりわけ惹かれたのは数人の方が指摘されているように、三者三様の「個性」「価値観の相違」がしっかり書き分けられている点。

主役級の三人に加え、悪役、脇役達の様々な価値観の相違・摩擦が世の中の矛盾や不条理を浮き彫りにしていく過程にこそ本作の最大の魅力があると思う。絶対的な「正義」の不在、「正義」そして「真実」を越えたものの存在を高らかに謳い上げているように思う。

キャラクターそれぞれの「正義」があり、そしてその「正義」の影には必ず落ち度や欠点がある。バドの暴力癖や捏造、エドの密告や裏取引、ジャックの小遣い稼ぎの方法、といったように。リアルというには少々誇張されすぎた感もあるこれらの落ち度があってこそ、それぞれのキャクターに人間らしい血が通ったことは疑いない。勿論、役者達の名演あってのものだが。

皆様のコメントによると本作はアカデミー作品賞を逃したそうですね。今のアメリカの「正義は一つ!鉄拳制裁」的政策を見ていると解る気がします。

(評価:★4)

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