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[コメント] 天城越え(1983/日)

脚本にも参加している師匠・加藤泰を思わせるローアングルショットと女性描写が入念な回想シーンの出来は良いのだが、既に多くの方が指摘されている通り、現代シーンがあまりにもチープで眼を覆いたくなる。
町田

渡瀬恒彦の老人演技には無理があるし、日没で時間の経過を表現する安直さ、その美術セットの安っぽさ、なんだろうあのハリボテのビルディングは。

主人公の家庭の事情、吉行和子演じる母と叔父との肉体関係をクローズ・アップし、殺人の動機をより理論的なものとしている点、田中裕子(熱演!)と主人公との不思議な信頼関係を発見し物語をより高級な次元へと昇華している点は充分に評価出来る。そういう意味では原作を越えている。

(因みに、本作を制作した「霧プロダクション」は野村芳太郎が原作者松本清張を誘って興した会社である。原作者の横顔をデザインしたロゴは一見価値あり)

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)YO--CHAN[*] けにろん[*]

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