コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 2001年宇宙の旅(1968/米=英)

劇場体験から3ヶ月、はやくも俺の中では風化している。2001年年末が本作のピークだったのでは?
町田

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







劇場体験直後のコメント。(2001年12月27日於高田馬場)

「”生命”の誕生こそ永遠に解き明かされることのない神秘の法則である。」「”未知”とは即ち宇宙そのものである。永遠に膨張を続け尽きることは無い。」

人間は科学が発達しきった2001でもモノリスの前で騒ぎ立てる猿とあまり代わり映えがしない。人間が人間に似せて作り出した「人工知能」も結局役に立たず作り手である人間によって機能を停止されてしまう…。

映画がここで終わってしまったら冷や汗が出るほどの在り来たりな人類の勝利・文明批判の人間賛歌・自然回帰で終わってしまう。しかし映画のテーマはこれからだ。あのラストシーンが意味するもの…。

幾人かが指摘されていたようにワープから一連のシーンは「子宮」への「着床」であったと思います。船が「精子」、コラージュされた空間は「膣壁」で部屋は「子宮」。新たなる生命(或いはその象徴)の誕生。

これらから僕は、「決して作り出すことが出来ない『生命』こそが宇宙の神秘である。これこそ神の所業であり、永遠に解き明かされることの無い未知の法則である」というメッセージを(自分勝手に)受け取りました。

(追記:12/29) 忘れてました、あの地球を見つめていた赤ん坊のこと。

僕は彼こそは「神秘」「未知」「謎」の擬人化・象徴である、と受けとりたいと思います。「神秘」が「神秘」を生む。「未知(と定義される事物)」は永久に膨張し続ける宇宙空間同様(というか同義)尽きることがない、のだと。

**********************

減点対象

1:サイケデリック神秘主義(cinecine団様、サイマフ様ご指摘の「仏教的」ってのももちろんこの範疇)と宇宙産業花盛りの’60年代末期に、一神教主体の先進国で作られましたってのがアリアリと解ってしまった点。

2:ストーリーも予想以上にサスペンスフルで普通に面白かったところ。面白いから減点したくなるなんて気持ちになった映画はたしかに珍しい。 3:自分の中ではやくも風化してるから。もう一度見たいとは思いませんね、今のところ。

(@早稲田松竹/新世紀特別版)

(評価:★4)

投票

このコメントを気に入った人達 (4 人)ゼロゼロUFO[*] けにろん[*] ゆ〜ゆ〜[*] muffler&silencer[消音装置][*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。