[コメント] 四日間の奇蹟(2005/日)
100%の善意で塗り固められた、ちょっと気恥ずかしい作品ではあるが、人も風景も大変丁寧に美しく撮られているし、尾高杏奈ちゃんの頑張りもあったんで、ちょっと甘めの採点。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
このミス一位+佐々部監督+吉岡秀隆主演、全く同じ組み合わせで撮られた前作『半落ち』をさんざん貶しておきながら、それでも俺が劇場に足を運んだのは、判る人なら判るだろう、これが岡本喜八監督の係わった最期の映画だからである。
正直、物語自体からは意外性も緻密さも感じなかった。この話の価値は、東野圭吾の『秘密』を如何にして超えるか、如何に独創的な結末を導き出せるかに懸かっていたと思うていたのだが・・・。石田ゆり子が残したものを尾高杏奈に台詞で説明してしまったのは(映画としても)致命的な誤りと云えるし、松坂慶子に対する現世的な救いも、米産宗教大作じゃあるまいし全く不要だ。『いま、会いに行きます』を先に見てしまったからかもしれないが、もう一枚、綺麗にひっくり返して欲しかった。欲張りかしらん?
ただファンタジーを介して、人生の価値を謳いあげ、保護者や介護者の本質を浮き彫りにさせた点は、素直に賞賛したい。偽善や欺瞞は、それを罪と認識したとき既に、その半分以上が浄化されているのだ、と俺は思うし、そうだと信じたい。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (3 人) | [*] [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。