[コメント] スパニッシュ・アパートメント(2002/仏=スペイン)
爽やかな青春を描かせればセドリック・クラピッシュの右に出るものはおらず、等身大の青春を演じさせればロマン・デュリスの右に出るものはいない。
ロマン・デュリスが好きだ。彼が出ている映画が大好きだ。『ガッジョ・ディーロ』では良かった頃の窪塚洋介みたいな好青年だったのに、この映画ではナイナイ岡村か伊藤淳史、或いは妻夫木聡の出来損ないみたいに見えるってのが素晴らし過ぎる。
ソニー産の最新デジタルカメラが大活躍する序盤も面白いが、イギリス娘の寒い弟が出てきてから映画は一層面白くなる。彼が最初に食卓でモノマネを披露しスペイン娘の怒りを買うシーン、彼女のコトバ、その人たちを見もせずに聞きかじったイメージと先入観だけでを勝手に類型化するな!、というのが多分この映画の訴えようというメッセージだろう。それでもクラピッシュは優しい。この馬鹿弟を悪者にしない。除け者にしない。ハエの真似をするシーン以降、僕達はヤツを憎めなくなる。で、それに続くのが例の脱出&入れ替わりのシーン。ベタだが最高に笑えた。
でも、なんていっても「宴の後」の描写が最高。観てる方まで胸が苦しくなる。ずっとこの時間が続けばいいのにと思ってしまう。クラピッシュはそういう風に思わせることが出来る監督だ。人と人の間に流れる空気を描ける人。
レディオヘッドやボブ・マーリィなど音楽の使い方も相変わらず最高。
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