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[コメント] 御冗談でショ(1932/米)

マルクス主義の洗礼を受けてから今年で12年になります。(05・5・27)
山本美容室

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 1993年に名古屋シネマテークでマルクス兄弟の特集上映があったの。マルクス映画の洗礼は、映画評論家の森卓也さんの講演のあと『我輩はカモである』が上映された時。

 ラストで拍手が起きてね。映画館で拍手なんて初体験やから驚いたね。上京した時には秋葉原の石丸電気でマルクス兄弟のLD買い集めたんやね。

 LDは無駄やったなぁ。だいぶ処分したけどDVDにならんクレージー・キャッツとかは処分できんなぁ。買い直すのも勿体無いしね。そうそう『御冗談でショ』のレビューやったね。

 ウディ・アレンの『世界中がアイ・ラヴ・ユー』の中で“EVERYONE SAYS I LOVE YOU”って歌が、使われてるというか歌われてるでしょう。この映画の歌なんだね。ええ曲だね。

 この映画はアメリカの禁酒法時代末期に製作されてるんだね。禁酒法は正式に言うと「合衆国憲法第18修正条項」なんやね。1919年1月16日に成立して翌年1920年1月17日から発効してるんやね。それから1933年12月5日にルーズベルト大統領が廃止した法律なんだなぁ。

 なんでこんな事書いとるかいうと、舞台にヤミ酒場が出てくるからなの。チコ・マルクスがヤミ酒場で密造酒をビンに詰める仕事をしてるの。「スコッチとジンを頼む」なんて注文が入るんだなぁ。『マルクス兄弟のおかしな世界』ポール・D・ジンマーマン 中原弓彦・永井淳訳(晶文社刊)のデータによると映画が公開されたのは1932年8月19日という事になっているね。もうザル法だったんやね。

 小ネタが書ききれんぐらいあるんだけど、アメリカ人は日本人と「笑いの感覚」が違うね。「ボケ」と「ツッコミ」があるでしょう。アメリカ人は殆ど「ツッコミ」がないのね。お客さんの知性に頼ってるいうか「なんでやねん」とか該当する英語ないでしょう。(あったらゴメン)

 だから漫才みたいな演芸やなくて、スタンダップ・コメディみたいなピン芸人が、多いみたいやね。日本でもヒロシとか青木さやかとかピン芸人増えてきたでしょう。人名リンク張ったけど、二人ともそろそろ映画に出そうじゃない?このレビュー脱線するなぁ(笑)

 「ボケ」と「ツッコミ」の話やったね。この『御冗談でショ』にも二回「ツッコミ」があるの。マルクス兄弟は、4人おるけどまともな順番から、ゼッポ>グルーチョ>チコ>ハーポの順やと思うね。ハーポ・マルクスが一番クレージーでええね。口が利けんからツッコミも出来ない。

 弱点が強みになったね。(口が利けないのはそういう設定)だからもうボケの暴走機関車やね。次にどんな行動に出るか予想がつかん面白さがあるの。「さっきからなにをしてんねん!」的なツッコミは無いからねぇ。吉本新喜劇のアメリカ進出は難しいなぁ。

 映画のあらすじとかギャグを書き出してもそんなに意味はないと思うよ。マルクス映画の場合だけど。印象に残ったのはグルーチョ・マルクスセルマ・トッドにボートの上でギターで“EVERYONE SAYS I LOVE YOU”を歌う場面。ボートって映画的な小道具やなぁ。

(評価:★5)

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