[コメント] アルゴ(2012/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
冒頭のパーレビからホメイニにいたるまでの政権移動について簡便に紹介しているシーンがあるが、このシーンだけでイラン革命以後のイスラム世界が一目でわかる仕組みになっているところがすごい。
そして1980年代に発生したアメリカ大使館占拠事件。
このシーンからどんどん興奮が高まりますが、この時代を上手に描写していますね。 ファッションだとか色々ね。
そして6名の大使館員が逃げ出して、このメンバーを救出するために奇想天外な大芝居が仕掛けられます。
この部分からは映画に対する愛情と哀愁。
ちょうどハリウッドが下火になりつつある時代で、ロサンゼルスにそびえる「HOLLYWOOD」の文字が崩れているシーンがとても印象的。
映画屋のはったり仕事。
でも映画とはそういうもの。はったりそのもの。この大胆な発想とそのきっかけとなった『最後の猿の惑星』が示されているところが実にユニークですね。
いいなあ、こういう着眼点。見事!
もう後半はスリルスリル・・・スリル満載。楽しい映画です。
大芝居を打った6名の大使館員とそれを救いに来たCIAのエージェント。
本部から一時は見放されながらも信念を貫く姿勢などは実に勇敢ですね。
ラストのテロップで実在の人物がシンクロしますが、これがまた臨場感をあおります。
この映画を鑑賞した日は、サッカー日本代表が最終予選でオマーンと戦ってかろうじて勝った日だったんですけど、映画も代表の結果もいずれもよかったので、とても満足できる一日でした。
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