[コメント] 酔いがさめたら、うちに帰ろう。(2010/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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自分も酒は飲むし煙草も吸うし、毎日コーヒーがんがんだし、依存症という現象でいえばこの主人公となんら変わらない。全く同類。同一人種。だから自分を見るような気がして「あんまり見たくないなー」と思いながら見てしまったのですが、ほどほどに予備知識がなかったこともあって、すっかりこの映画にどっぷりつかって笑い泣き、楽しめました。
見ていてすぐに、この主人公は?・・・と思ったら、やっぱり西原理恵子さんの元ご主人のことを描いていることがサッとわかりましたね。
はっきり申しましてこの映画、西原理恵子さんを強烈に美化して描いています。しかも永作博美さんキレイだし。
思えばこの類の作品というと昔『失われた週末』なんていう映画がありましたよね。あれも怖い映画だった。アルコール依存症の映画。どうしてもどうしてもやめられないんですね。この映画の主人公と一緒。
そして病院でのエピソードは、ちょっと『カッコーの巣の上で』を思い起こさせますね。病院という限定的な場所で繰り広げられる人間模様。
西原理恵子さんというと、先ごろ拝見した『パーマネント野バラ』がとても良かった。面白かったねー。あの最後の不思議な孤立感。
彼女と元夫のこの映画の原作者も、それでいてあまり悲観的ではないんですね。それが救い。
でもこれが実話だとしても、こんな依存症の大人を抱える周囲の人たちは現実的にこの映画のようにはいかないでしょうね。そんなに甘くないのではないでしょうか?
最後に浅野忠信さん。
うまいねー。
彼って、この映画では比較的穏便な役ですけど、何か切れ味の鋭いナイフのような雰囲気があって、映画の中でも「なんでカレーくわせねぇんだよ!」と怒るシーンなんかは彼そのものですね。
でもうまい。
若いころから才能ある監督と組んで、いろいろな役を演じてきましたが、『御法度』とか『風花』のあたりから「才能ある役者さんだなー」と見ていました。
最近だと『サッド ヴァケイション』も良かったし、何といっても『ヴィヨンの妻 〜桜桃とタンポポ〜』などは、この作品に共通するアル中のお話でしょ。
似合ってました。
2011/04/30 自宅
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