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[コメント] NINE(2009/米)

文句なし。ソフィア・ローレンが画面の中心に立った時点でこの映画の価値は決まった。
chokobo

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







批評空間の評価はいまいちのようですが、私にとってはこの映画は至宝。素晴らしく美しい名画。映画社会の陰部を見事に演出したロブ・マーシャルはやはり才能のある監督ですね。感動しました。

順に整理しますが、まず役者がすごい。

ダニエル・デイ・ルイスという人はしかし、色々な役を演じることができる才能のある俳優なんですね。『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』や『ギャング・オブ・ニューヨーク』もそうですが、とにかく自分を良く見せようという気がない人。とにかく映画のためならその中にどっぷり使って、その映画そのものになりきろうとする人。これなかなかできない芸当です。驚きました。

ジュディ・デンチも見事。

私この人大好きなんです。

007』シリーズもそうですが、『シッピング・ニュース』や『ショコラ』の彼女も大好き。

日経新聞で連載していた「私の履歴書」で有馬稲子さんが彼女のことをベタで褒めていましたが、その理由はこういう奥の深さにあるんだなぁと納得しました。

ペネロペ・クルスもいいですね。いかにも彼女らしい役柄でしたが、とても良かった。トム・クルーズを巡る関係であるニコール・キッドマンと接触しているあたりも芸能界情報を知るわれわれにはドキドキものですね。

そのニコール・キッドマンの美しさにも圧倒されますね。美しい。本当に美しい。きっとナマで見たら気絶するでしょうね。

そして何よりこの映画の支柱はソフィア・ローレンですね。

彼女がスクリーンの中央に位置するラストシーンを見るだけでこの映画の価値は見事に保証されましたね。

そして彼女が画面に映ると、この映画の本当の主人公はフェデリコ・フェリーニであることに気づくんですね。

フェリーニの作品に接したことのあるイタリア女性代表として、この映画に映画の歴史を刻み込みました。そんな役回りとしてソフィア・ローレンを見ると、なおさら涙腺が緩みますね。もう感動、感動、感動。そんな時代に映画を見た私です。

映画監督の苦悩というと『オール・ザット・ジャズ』を思い出します。

ボブ・フォッシーでしたよね。

ロブ・マーシャルボブ・フォッシーが乗り移ったのでしょうか?

シカゴ』でも見せた、普段は全くミュージカルと縁遠い役者を見事この世界に巻き込む力。

彼の力量に圧倒されましたね。

うれしい映画でした。

2010/12/14 自宅

(評価:★5)

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