コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] パブリック・エネミーズ(2009/米)

マイケル・マンは信用しません。
chokobo

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







いやでも、この映画があの『デリンジャー』の映画だったとは驚きでした。

全く予備知識ゼロで見ただけに、かつてジョン・ミリアスウォーレン・オーツを主人公に作ったあの映画をリメイクしているとは驚きでしたね。

ジョニー・デップも悪くなかったし、それなりの映画ではありました。

しかし、こうしてみても、ハリウッド映画のコンテンツの乏しさを感じますよね。

リメイクですら陳腐化してしまうほど新しい素材を失っています。

この作品にしても、決して侮れないものはあるのですが、映画全体の迫力が脚本の甘さにとらわれてしまっているような気がしました。

かつての『デリンジャー』との違いは、デリンジャーが強引に口説き落とした女性にまつわるエピソードが印象的だったこと。

でもそれがこの映画の足枷になっていたような気がします。

かつて『ヒート』という映画で大物俳優を共演させながら、画面で一度も同じシーンに出ていないような陳腐な作品を作ったマイケル・マンだったので、はたしてこの映画でもクリスチャン・ベールジョニー・デップが本当に共演するか心配でしたが、ここでは間違いなく共演していましたね。

マイケル・マンという人は、どうしても対立する者同士の戦いを描きたくてしょうがないみたいですが、そういうわかりやすさって時として陳腐に映りますよね。

この作品で唯一緊張感をもって見ることができたのは、デリンジャーが自ら手配されているにもかかわらず堂々と警察に乗り込むシーン。緊迫しましたね。ジョニー・デップが上手に演じていました。

クラーク・ゲーブルが大画面に出てきて劇中劇として使われていたのもよかったと思います。

もう少し上手な人に撮ってもらえれば、もっと面白い映画になっていたでしょうね。

2010/12/30 自宅

(評価:★2)

投票

このコメントを気に入った人達 (0 人)投票はまだありません

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。