[コメント] ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破(2009/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
そもそも私は、この碇シンジというキャラが大嫌いで、ぐずぐず自分の姿勢を明確にしないだらしない奴、という印象があまりにも強くて、だからかどうかわかりませんが、このアニメシリーズにも一切接触してきませんでした。
そして、前作「序」を見て、確かにその映像と使徒のイマジネーション(創造力)には感服しておりましたが、今回の完成度と展開の凄まじさは、明らかに前作を上回っていましたね。恐れ入りました。
もともと使徒襲来からサードインパクトに至るまで、つまり地球滅亡への行程は、この映画の主題となっていますね。そしてそれを乗り越えるのが「愛」であると、まぁ茶番のように見えてもこれが明らかにドラマの中心。
エヴァのキャラを含め、ジブリ、特に宮崎駿さんの初期作品『風の谷のナウシカ』に出てくる巨神兵のイメージだったり、この作品の前半に出てくる使徒が『もののけ姫』のコダマをイメージしていたり、特に少女神話ともいえる女性中心主義的な発想は間違いなくジブリ系と言えるような気がしますね。
そこから派生する十字の紋章。
使徒が破壊された瞬間にそびえるキリスト教のイメージ。これもまたこの作品に不思議な重みを与えています。
まあ今回の作品の全ては、ラストです。
この展開を予想できませんでしたが、最後の最後に希望を生み出す手法と、使徒との戦いの痛いほどの迫力に圧倒させられました。
理屈ぬきで面白かった。
綾波レイが碇シンジの母親とシンクロする瞬間に近づくシーンですね。見事だなぁと感心しました。
ポカポカする、という彼女のいたいけなセリフも良かったですね。
でもこれは映画館で見ないとだめかもしれませんね。
2010/08/28 自宅
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