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[コメント] Sweet Rain 死神の精度(2008/日)

金城武が良すぎる!浅田次郎と『デスノート』をミックスしたような映画。
chokobo

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







まぁとにかく金城武さんがカッコ良すぎて、男の私から見てもカッコいいですね。そんな魅力の映画でした。

原作は少し浅田次郎さんを彷彿とさせます。それは生きているということに対して純粋な死神がその人の死に付き添うか?というテーマですね。なかなか面白い着想です。

この映画は3つのエピソードで語られますが、最も魅力的なのが最初のエピソードです。不幸に不幸が重なる女性は、仕事でクレーム処理をしています。そのクレーマーがどんどん追い詰めてきます。そんな中、死神が彼女(小西真奈美)に付き添うわけです。そして彼女が生きるべきか死ぬべきかを判断します。結局、死神は彼女を生かそうとしますね。そして彼女を追い詰めたクレーマーが実は音楽プロデューサーで、彼女の声に惚れていた、というエピソード。

これだけで十分ドラマになりますね。なかなか良くできていました。

さて、ここからさらに別の男に死神が取りつきます。チンピラですね。チンピラが死に物狂いで生きることを認めてしまいます。

そして最後が美容師の老女。実はここが最高に盛り上がるラストですね。

黒犬がでてきます。これは死のイメージです。そして死神が黒犬と文字で会話します。これがこの映画の限界かな、とも思いました。黒犬が吹き替えでしゃべったりしたら、きっとがっかりしたと思うのですが、ここでは字幕で会話しますね。この辺が面白かった。黒犬はさるげなく死神を監視します。

でも死神である金城武さんの魅力は絶大ですね。本当に素晴らしい役者だなぁと思いました。

全編に降る雨。これもいいですね。死神の世界を雨で表現しています。

最後に結局、老女は孫に打ち明けませんでした。チンピラだった自分の息子にも会わなかった。そして初めてこの映画に晴れ間が差すんですね。

でも、何か訴える力が不足しているように感じました。ドラマとしては面白いのですが、映画としての何かが不足しているように思いました。

それはきっと、先が見えた瞬間にドラマが終わってしまったからだと思うんですね。ドラマの意外性と映画の芸術性が必ず重なるものではないんですね。だから、最後のあたりは無理やり原作に近づける必要はなかったのではないかなぁと思いました。

(評価:★3)

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