[コメント] オーシャンズ13(2007/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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アル・パチーノがやはり素晴らしい。彼の若かりし頃、つまり『ゴッドファーザー』でマーロン・ブランドやジェームス・カーンやロバート・デュバルの中に入って、自分の意思を押し通したあの頃を懐かしむ。
彼の演技の迫力は、本作でも見事に出しつくされていた。彼の叫び、オーバーアクション、仕草、そのすべてが良かった。『セルピコ』でも『スケアクロウ』でも『スカーフェイス』でも見せてくれたあのアクションである。
そして『ゴッドファーザーPART3』でマイケル・コルレオーネの息子役だったアンディ・ガルシアが今回もからんでくるあたりは、うれしい。いずれもラスベガスという舞台でセレブな男たち。いずれもイタリア系の彼らは興奮が漂うこの世界では見栄えがする。
エリオット・グールドは今回の中心人物だ。アル・パチーノに騙されてホテルを乗っ取られる役。彼はバーブラ・ストライザンドの元夫だ。今回のシリーズの舞台はラスベガスだが、ここまで派手なスターが共演すると、ハリウッドそのものの迫力を痛切に感じてしまう。エリオット・グールドが一躍有名になった『MASH』や『ロング・グッドバイ』を懐かしめば、彼の今回の役どころが不自然に感じるかもしれない。それもこの映画の楽しさだ。
しかし(散々褒めておいて変な話だが)このシリーズもこれで最後にしておいた方が良いかもしれない。今をときめく大スターがこれだけ共演した映画は、映画界の宝だ。前作のジュリア・ロバーツやチョイ役のブルース・ウィリス、アルバート・フィニーもそうだが、これだけたくさんの俳優を出した映画が連作されるケースは稀だ。
宝はひとつだ。たくさんあっては価値を落とす。
スティーブン・ソダーバーグが本来目指す映画がこのシリーズとは思えないので、もっと別の世界で活躍してほしい。
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