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[コメント] 赤目四十八瀧心中未遂(2003/日)

小さなぼろいアパートで展開される恋模様。
chokobo

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







映画ってのは、知らない世界や知らない場所を体感できる凄味がありますね。

赤目という場所があって、そこには48か所の瀧があって、自殺する場所としても有名である、というだけでこの映画の価値がありますね。

でもって、この大阪の下町の複雑な環境。このドロドロした世界の表現も見事です。

荒戸源次郎監督というと、古くは『ツィゴイネルワイゼン』の製作者としての印象がありますが、最近は自らメガホンをお取りになっていらっしゃったんですね。

寺島しのぶさんが主人公の青年と歩く瀧巡りのシーンで、かつての象徴主義的な世界が表現されていますね。

この瀧のシーンの数々が、この映画の見せ場でがあるのですが、残念なことに長すぎますね。ちょっと辛かった。

刺青の美しさと最後の瀧のシーンの美しさが、この映画を映画として存在させていますね。

自らのキャリアを投げ捨てて焼き鳥の肉を串刺しにする仕事を黙々とこなす主人公の姿にデフレ社会に埋没した日本人は何を見出せば良いのでしょうか?

深く重たい映画でした。

2010/01/01

(評価:★3)

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