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[コメント] 女ひとり大地を行く(1953/日)

炭鉱組合から資金も出ているのでそういう話で纏めてはいるが、題名からすると炭坑労働者の実相を世に知らしめたかったのだと思う。その貴重な記録。☆3.7点。
死ぬまでシネマ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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亀井文夫監督、最後の劇映画作品。

寒山さんは「短縮版では観たうちに入らない」と言って評価もしていないのだが、一応私は採点しておく。また寒山さんは「Wikiには短縮公開版は132分とあるが、私の観た16ミリは138分あった」としているが、私の視たDVDも、表記は「本編138分」だったがカウンターでは「完」の字が消えて132分だった。

DVDでは父=喜作(宇野重吉)とサヨ(山田五十鈴)の再会が余りに唐突なので、何らかのシーンがあったと推察される。その前の、炭坑のタダ風呂をパンすると父(宇野)が居た!というのも一寸唐突だが、そこはそういう脚本なのかも知れない。

母=サヨは再会の直後に安堵からかその儘昇天してしまうのだが、彼女の人生に中国労働者の旗を被せて讃えるのは、流石に筋が違うなぁと思う。しかし、彼女の人生をも含んだ全てが労働の収奪なのだ、という論理も(当時は勿論として)あり得るだろう。

DVD特典では内藤武敏(次男=喜代二役)のインタビューが収録されていて、撮影当時、役者たちはそれぞれ炭坑労働者の住まい(俗に言う炭住)に寄宿させてもらった事、撮影中に夕張炭坑がストライキとなり、坑内の撮影が出来なくなってしまった為、急遽釧路の太平洋炭礦に移動した話等が収められている。(内藤としてはこの映画の演技の出来には、多少の悔恨があるそうだ)

(評価:★3)

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