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[コメント] ブレードランナー 2049(2017/米=英=カナダ)

続編ではあるけれど。☆4.7点。
死ぬまでシネマ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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何だろう、ここに来ると色々余計な事まで考えさせられたけれど、最近良質なSFを観られてない所為かも知れないけど、いい映画だと思ったからこの点でいいのじゃなかろうか。前作と比べては可哀想では無かろうか。私も前作には及ばない気がしたし、デッカード登場には何とも言えない残念な気がしたけれど(予告編の時点からだったけど)。

何が佳かったかと言えば、主人公が諦めと希望の中で静かに揺れ動き、求め、他人の為に自分の生命を使う事に後悔しなかった事だろうか。ラストの「蛇足」はデッカードの為のシーンでは無いよな。

そして男の我が儘なのか、お家ソフトとの純愛にも泣いた。ん、でも思い返せば最近涙脆い私だが、この件では涙は全然出てない。あれっ? それでも私の中では確かに泣いた。

お家ソフトは当然ご主人様の趣味に沿うようにプログラムされている訳で、オトコでも良かった筈だが、レプリカントであろうが感情を持った男なら、選択肢の中から当然あの娘を選ぶのである。主人公は公職に就いている所為かも知れないが、お家ソフトなのにかなり大事にしてるのだ。これは自分も人造人間に過ぎない、という自己認識が少なからず関係していると思わせる。しかし彼女とて、もし馴れ馴れしくラブユーご主人様な態度に出ていたら、逆に即消去されていただろう。

可愛らしい女の子が目の前からこちらを見ていたら、疑わずには居られない。主人公がどう思ってようが、こちらの全神経はお家ソフトの〈本心〉に集中する。彼女は本当に主人公を愛しているのか、そう見えるように作られているだけなのか。一見逸脱行動に見える所までご主人様に寄り添うプログラムか、嘘でももう愛していいのか?

「普通の女性」と同じ様に一回生を生きたいと彼女は言う。そうか、その瞬間もうそれがプログラムでも愛していいのか、究極にカスタマイズされた瞬間に真贋の意味がズレるんだな、と思った。都合のいい消費者かも知れないけどね…(初めてA.I.を実感したかも)。リアル日常では勿論肉体性を求めるオトコではあるけど、この映画ではあのラブシーンで充分だったよ。

(前作との絡みで言いたい事は本当〜に沢山あるのだけど、他の人に任せるとします)

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)ロープブレーク[*] けにろん[*]

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