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[コメント] 武士の一分(2006/日)

山田洋次が監督の時代劇である以上、三村新之丞の見た目はどう見てもぱっとしない芋侍だ。その三村役を引き受けて、よう漸く木村の真の才能が開花し始めた。☆3.7点。
死ぬまでシネマ

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この後に『2046』のオファーが来ていれば世界は変わっていただろうに、惜しい!

最初月代を剃り地味な出で立ちの木村を見て「うわ、ダサ…」と思った。そろそろいい加減「抱かれたい男No.1」の先を考えなければならない木村も漸く重い腰を上げたのだろうが、そこに山田洋次が居たのを幸運としなければならない。奴(木村)はもっと早くここに居てもいい筈の男だと俺は思う。

山田監督もなかなかしたたか者で、あの木村をゲッソリと幽鬼の様にやつれさせ、その剣術は過去の2作と比べ最も型が崩れた「汚い」剣法である。スラリとした木村の背筋を冒頭に示しておいて、後半の剣術では盲目となった木村(三村)は基本を破り耳を澄ませる為に首を大きく傾げるのである。首が傾げるから背筋も崩れ、太刀筋も崩れる。この剣術は木村ならずとも非常に苦労した筈だ。山田も木村に大きく期待しているのである。

山田監督にもう一言。「あんたは本当にシンプルに<ほのかな想い>それだけしか描かない人だね〜!」しかもその描き方たるや徹底している。

(評価:★3)

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