「流石桃井かおり」と言ってもいいのかも知れないが、これはもっと褒めてあげてもいいのではないか。日本女優の大金星だよ。子役の大後寿々花ちゃんも大したものだ。役所広司は期待通りの名演を見せたが、渡辺謙は予想通りアクがなく、ジョン=ローンの二の舞の海になる危険がある。仲代達矢に似て、ハリウッドには(というか戦国武将にしか)向かないのかも知れない。

主役のチャン=ツィイーは予告篇ほどの輝きを見せず、寧ろ自らの境遇を思わせるコン=リーの妖しさに唸ってしまった。『2046』の リベンジをきっちり果たした感がある。ミシェル=ヨーは倍賞美津子にクリソツでやんしたね。何より嬉しかったのはポスターより工藤夕貴が全然可愛かったこと。

日本人で「SAYURI」を演じられる女優が居ないという事実は、全く悲しい事です。

(附) 長いこと渡辺謙を仲代達矢の無名塾出身と誤解しておりました。それは役所広司でした。謹んでお詫び申し上げます(誰に？)。