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[コメント] ニュースの天才(2003/米=カナダ)

のし上がろうとする若者の暗黒面(ダークサイド)。ジャーナリスト志望者必見映画。3.7点。
死ぬまでシネマ

1950年9月27日朝日新聞「伊藤律会見記」事件 ◆ 1989年4月20日朝日新聞「サンゴ汚したK.Y.って誰だ」事件 が有名だが、最近でも思いつくだけで 2005年4月15日産経新聞 秋篠宮「お言葉」捏造事件 ◆ 2005年8月21日朝日新聞「田中・亀井会談虚偽メモ」事件 ◆ 2005年10月25日産経新聞「コウノトリ合成写真」事件などがある(朝日新聞のNHK番組改編報道については、ぼくは別の要素があると見ている)。

「捏造」と「虚報」・「やらせ」・「粉飾記事」はそれぞれ意味合いが微妙に異なる気はするが、「誤報」より悪質なのは確かである。「誤報」ですらひとびとを深く傷つけるのに、マスコミ人は報道の暴力に余りに無自覚だ。(捏造と同じくらい悪質に成り下がったのは、テレビでのやらせの横行だ。「やらせ」といえば1985年10月8日テレビ朝日「リンチでっちあげ」事件 ◆ 1992年9月30日NHKスペシャル「奥ヒマラヤ禁断の王国・ムスタン」事件が有名だが、現在各局のバラエティ系番組では<場末の定食屋にある硝子ケースの見本>以上に露骨なウソが罷り通っている。)

《一流ジャーナリスト》に求められる才能は「ケツをまくる才能」と「ケツを舐める才能」だ、と言ったのは誰だったろうか? 今じゃこの世界に入る前から既に腐ってる記者ばかりのようだが、それでも中には最初は志を持って門をくぐる若者がいる筈だ。そういう稀少な人材にはこの作品と『大統領の陰謀』は是非見てもらいたい。

グラスが行った大捏造事件は、ゴシップ誌やイエローペーパーなら(そして日本なら?)特段問題にされなかったかも知れない。しかし「事実(真実とは言わない)」を売っているクォリティペーパーである限り、これは絶対にあってはならない事だ。世の中「悪事」にどんどん甘くなっている。使命感と職業倫理は、他人はどうあれ絶対に捨ててはならない。救済はなされてもいいが責任は取らなければならない。それが第4権力者であるなら尚更である。

(評価:★3)

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