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[コメント] 青の炎(2003/日)

おっさん監督が撮った映画と言うしかない。瑞々しさ、リアリティが薄いのが致命的。
ざいあす

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







チャリで鎌倉の海辺走ってるなぁ〜とか思ってたら、なんとそのまま我が母校へ入って行っちゃった。うわ〜懐かしい。でも男子校だったんです。セーラー服がいるのはすごい違和感。谷戸に囲まれた狭い校庭なので一部CGで空や緑を足してるアングルもありました。別の学校の画も使ってたし。こんな暗い話の舞台に使われちゃうなんて困るというか妙に納得というか・・。

蜷川カラーのせいなのかセリフが理屈っぽすぎ。理数系で頭のいい奴の設定だとしても、いまどきの高校生が話す言葉とはほど遠い。

ときどき心象風景が挿入されるものの、キメの場面では映像でなくセリフで語ってしまう。ガレージや美術室(固定した引きの画はそれなりに良かったが)での二ノ宮と松浦のやりとりは舞台演出家の悪癖と言われてもしかたないのでは。

役者の選定も疑問。秋吉は母親の気苦労が少しも伝わらないし、主役二ノ宮よりふっくら、ガッチリ体型の鈴木杏。あややは肝心要のガラス越しに見つめるシーンでの表情がいつものアイドルでのキメ顔。ものまねタレントがやるキメ顔とそっくりで笑うしかなかった。かって「鬼」だったはずの蜷川監督は、アイドルとしてのあややを見ていないのか、彼女のアイドルとしての技を壊すまでの演技指導はしていないと思われる。

メインテーマの音楽だけは耳に残るのだが、義父との諍いシーンが一度だけで家族の過去に触れる回想シーンもなく、切なさがイマイチ伝わらないのが残念。とにかく、若者を扱いながらも若い感性が感じれらないのが致命的だった。

余談ですが、自分もヒジを壊して野球部を辞めてからは一時裸婦デッサンばかり描いていた美術部OBでもあります。映画と同じように隣りの建長寺が見渡せる美術室でしたが、粗大ゴミ堆積場みたいな有様だったのを思い出しました。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)まりな ことは[*] トシ[*]

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