[コメント] 鬼が来た!(2000/中国)
転がって、瞬きして、子孫まで感謝するような境地に、自分はなれるだろうか。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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宴会の席で花屋が「明けましておめでとうございます」「あなたは私のおじいさん・・・」を繰り返し、玉音放送と共に双方の笑い声で締めくくってもそれなりにいい映画だったかもしれない。でもそんなこと許してくんなかった。隊長のあぶない目つきでこのまま済むわけないとは思ったが・・。
見事にひっくり返されちゃった。カタルシスどころか日本人として見るに耐えない。花屋や隊長に「大和魂」とか「忠義礼節」とかを期待したことがそもそも幻想なのだろう。狂気とか不条理の一言で片づけられない人間の所業そのものを単にあぶり出しただけなのかもしれない。反日の匂いも、マーさんが泣いて殺しを拒んだのに、その後(復讐とはいえ)鬼の形相で殺しをしようとする行動で少しは相殺できる。
しかし、マーさんの斬首人が花屋という役割も良くわからない。さらにニコリとするくだりも。これは復讐を遂げたというより、皆が鬼でいた現世から解き放たれた感謝なのか?それとも全てをひっくるめて人間存在そのものを許す愛情表現なのか?はたまた、おバカさんたちを哀れむ嘲笑なのか?
簡単に答えは見つからないし、打ちのめされたままだけど、この衝撃を忘れないようにしたいと思いました。
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